幼い頃から優れた才能を発揮していた彼女は、十代で映画『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』に出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、若くして脚光を浴びた。だが、スクリーンで見せる瑞々しい表情の陰で、家庭内の歪みはすでに臨界点に達していたのである。
撮影現場での高い評価とは裏腹に、家へ帰れば母親からの過酷な圧迫が待っていた。芸能活動で得る収入や世間からの注目も、母親の支配欲を満たすための道具に過ぎなかったのかもしれない。スポットライトの光が強くなればなるほど、家庭という暗闇の深さが際立つ。カメラの前で感情を爆発させる圧倒的な演技力は、皮肉にも日常的に抑圧された感情の裏返しでもあった。