ダンスという芸術は、言葉が削ぎ落とされた極限のコミュニケーションである。岡崎智というダンサーがステージに立つ時、観客が最初に目撃するのは、過度な装飾を排した純粋な「身体の質感」だ。
幼少期からストリートカルチャーの洗礼を受け、ストリートダンスの基礎であるリズムキープやアイソレーション(身体の特定部位のみを単独で動かす技法)を極限まで研ぎ澄ませた。しかし、彼の探求心は既存のジャンルの枠組みにとどまることはなかった。コンテンポラリーダンスの柔軟なリリース・テクニックや、演劇的なフィジカルシアターのアプローチを取り入れることで、自身のスタイルを急激に進化させていったのだ。
表現の根底にあるのは、強烈なまでのリアリティだ。ストリートの熱量と、劇場空間が要求する構築美。この一見すると反比例する二つの要素を、自らの肉体というフィルターを通して美しく調和させてみせた。その表現は、瞬く間にシーンのクリエイターや演出家の関心を集めることとなった。