解体前のかやぶき屋根の古民家や、昭和の面影を残す郊外の住宅。そこで粗大ごみとして廃棄されそうになっていた茶箪笥やランプ、ブリキの玩具が、今や高額で取引されている。昭和レトロ・アンティーク骨董家具の市場価格は、ここ数年で急激な上昇を見せており、特に保存状態が良いものや当時の職人技が光る逸品は世界中で引っ張りだこだ。
「価値がないと思い込んで処分費を払って捨ててしまうケースが、一番もったいない」と、長年現場に立つ骨董品鑑定士は語る。キズや汚れがあるからといって自己判断で処分を急ぐのは危険だ。経年変化そのものが「味わい」として評価されるアンティーク市場において、素人目には判別不能な歴史的価値が隠されているからだ。