この事件を語る上で避けて通れないのが、ネパール人男性ゴビンダ・プラサド・マイナリ氏の冤罪事件である。現場近くに住んでいたというだけで逮捕され、一審の無罪判決から一転して無期懲役となった。彼が釈放され、再審無罪が確定したのは事件から15年が経過した2012年のことだ。
決定打となったのは、当時の捜査段階で隠されていたDNA鑑定の結果だった。検察側は都合の悪い証拠を開示せず、一人の異邦人の人生を奪った。そして、ゴビンダ氏が無罪となった今、真犯人は誰なのかという疑問は闇に葬られたままである。時効が成立した今、法的に真実が明かされることはもうない。