『千と千尋の神隠し』の前半部において、主人公の千尋がハクに導かれ、息を止めて渡ろうとする「油屋へと続く赤い太鼓橋」。あの印象的なシーンの原型としてファンから熱烈な支持を集めているのが、伊香保温泉の源泉湧出地近くに架かる「河鹿橋(かじかばし)」です。
河鹿橋は、伊香保温泉のシンボルである石段街を最上部まで登りつめ、伊香保神社を抜けた先の深い森の中に位置しています。朱塗りの緩やかな太鼓橋が緑の木々や清流に映える佇まいは、まさに人間界と八百万の神々が集う異界との境界線を思わせる神秘的な空気を纏っています。
春から夏にかけての瑞々しい新緑はもちろんのこと、例年10月下旬から11月中旬にかけての紅葉の見頃には、周囲のモミジやカエデが鮮やかに色づき、息をのむ絶景が広がります。夜間にはライトアップが実施され、夜の闇に浮かび上がる朱色の橋は、提灯に明かりが灯った油屋の幻想的な夜景そのものです。