裁判で明らかになったのは、被告の極めて一方的な社会への逆恨みだった。検察側の冒頭陳述によると、当時30代だった被告は、人間関係のトラブルや将来への不安から強いストレスを抱えていたという。誰でもよかった、騒ぎを起こして自分の存在を誇示したかった。そんなあまりにも安易で自己中心的な理由が、法廷で被告自身の口から語られた時、傍聴席からは落胆とも怒りともつかないため息が漏れた。
弁護側は精神鑑定の結果をもとに責任能力の減退を主張したが、裁判所はこれを退けた。事前に催涙スプレーを購入し、防犯カメラの死角を狙って犯行に及んでいる点から、計画性と強い殺意(傷害の意図)が認定された形だ。2026年初頭に言い渡された判決は、懲役刑の実刑。社会を震撼させた代償は、決して軽いものではなかった。