認知心理学の領域では、顔の認識に関する数多くの実験が行われている。著名な社会心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した単純接触効果と自己認識のメカニズムは、なぜ私たちが写真の自分を嫌悪するのかを鮮やかに説明する。
被験者に「左右反転させた自分の顔写真(鏡像)」と「反転していない本当の写真」を見せる実験を行うと、本人は約70%以上の確率で鏡像の顔を好み、友人やパートナーは非反転の写真を好むという結果が一貫して得られている。双方が「日常的に最も多く目にしている方の像」に親近感と好意を抱くためだ。他人はあなたの非反転の顔に慣れ親しんでおり、あなたが写真を見て感じる「違和感」を他人は一切感じていない。
また、顔の左右非対称と心理学の研究によれば、人間は他人の顔を認識する際、細部のパーツの左右差を個別に見るのではなく、全体的なバランスを統合して処理する「ゲシュタルト知覚」を行っている。さらに、動画で動いている人間の顔は、静止画よりも魅力的に知覚される「フリーズエフェクト(Frozen Face Effect)」が働く。他人があなたを見るときは、声のトーンや表情の移り変わり、視線の動きが加わるため、1枚の静止写真に捉えられた不自然な瞬間であなたの容姿をジャッジしているわけではない。