脳神経を攻略する第一歩は、ローマ数字の「ⅠからⅫ」に対応する名称を完全に一致させることです。試験本番で緊張している状態でも、余白に10秒で12対を書き出せるようにするための最も定着率の高い語呂合わせを紹介します。
語呂合わせの定番として全国の看護・コメディカル系大学で広く受け継がれているのが、頭文字をリズミカルに繋げた次のフレーズです。
【脳神経12対の頭文字フレーズ】
「嗅(きゅう)して 視(み)る 動(どう)の 滑(かっ)は、三(さん)外(がい) 顔(がん)耳(じ) 舌(ぜつ)迷(めい) 副(ふく)舌(ぜつ)」
それぞれの文字に対応する脳神経は以下の通りです。
- Ⅰ:嗅神経(きゅうしんけい)【嗅】… 鼻腔粘膜から嗅覚を伝える。
- Ⅱ:視神経(ししんけい)【視】… 網膜から視覚情報を脳へ送る。
- Ⅲ:動眼神経(どうがんしんけい)【動】… 眼球を動かす外眼筋の多くと瞳孔括約筋を支配。
- Ⅳ:滑車神経(かっしゃしんけい)【滑】… 上斜筋を支配し、眼球を下内側に向ける。
- Ⅴ:三叉神経(さんさしんけい)【三】… 顔面の知覚と咀嚼筋の運動を司る最大の脳神経。
- Ⅵ:外転神経(がいてんしんけい)【外】… 外側直筋を支配し、眼球を外側に向ける。
- Ⅶ:顔面神経(がんめんしんけい)【顔】… 表情筋を動かし、舌前2/3の味覚や唾液・涙の分泌を促進。
- Ⅷ:内耳神経(ないじしんけい / 前庭蝸牛神経)【耳】… 聴覚(蝸牛)と平衡感覚(前庭)を担当。
- Ⅸ:舌咽神経(ぜついんしんけい)【舌】… 舌後1/3の味覚・知覚、咽頭の運動、耳下腺分泌を司る。
- Ⅹ:迷走神経(めいそうしんけい)【迷】… 頸部から腹部内臓まで広範囲に分布する自律神経の要。
- Ⅺ:副神経(ふくしんけい)【副】… 胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配し、頸や肩の運動に関与。
- Ⅻ:舌下神経(ぜっかしんけい)【舌】… 舌筋の運動そのものを司る。
嗅神経・視神経・動眼神経の働きをはじめとする初期の神経群は、脳の最前部(終脳・間脳・中脳)から直接出ているため、頭部損傷や脳ヘルニア時の徴候として臨床でも真っ先に確認されます。番号と走行順が脳の「前上から後下」へと並んでいる解剖学的構造を意識すると、丸暗記の負担を大幅に軽減できます。