高知アンパンマンミュージアムの最大の特徴は、一般的なテーマパークではなく「香美市立やなせたかし記念館」という公立の文化施設である点です。都市型施設が乳幼児向けの体験型プレイグラウンドやステージショーに特化しているのに対し、高知の本館はやなせ氏の直筆原画、タブロー画、そして生前のアトリエを再現した空間が広がる重厚なアートギャラリーとなっています。
館内の吹き抜け空間には、やなせ氏が同館のために描き下ろした巨大な油彩画が展示されており、筆遣いや色彩の深みを間近で鑑賞できます。地下に降りると「アンパンマンワールド」が広がり、パン工場のジオラマやキャラクターたちの住む町が精巧に再現されており、小さな子どもが直感的に楽しめる仕掛けも完備されています。
本館の隣に位置する「詩とメルヘン絵本館」では、やなせ氏が編集長を務めた雑誌『詩とメルヘン』の表紙原画や叙情的なイラストが常設・企画展示されており、大人の鑑賞者を魅了します。建物の外に広がる「やなせたかし記念公園」には、等身大のキャラクター像や遊具が設置されており、四国の山並みを背景にのびのびと過ごせる環境が整っています。