阿佐谷神明宮が全国各地から崇敬を集める最大の理由は、同宮固有の祈祷儀式である八難除け(はちなんよけ)の存在にあります。八難とは、年齢による厄年(前厄・本厄・後厄)をはじめ、方位や家相、地相、日柄、因縁、さらには人生における予期せぬすべての災厄を指します。多くの寺社では厄除けと方位除けが別個に扱われるのが通例ですが、阿佐谷神明宮ではこれらを包括して一度に祓い清める祈祷が確立されています。
境内の中心に祀られているのは、日本人の総氏神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。さらに右座には月読尊(つくよみのみこと)、左座には須佐之男尊(すさのおのみこと)と、三貴子が勢揃いする極めて格の高い配置となっています。約3,000坪に及ぶ境内は欅や楠の巨木に包まれ、都会の喧騒を忘れさせる清浄な空気が漂っています。現地を訪れた参拝者が「鳥居をくぐった瞬間に空気が変わる」と口を揃える背景には、こうした歴史的かつ神道的な重みがあります。