降圧剤の副作用の中には、一過性の慣れで済ませてはならず、ただちに服用を中止して医療機関を受診すべき危険な兆候が存在します。
特に警戒すべきは、唇、舌、喉、まぶたなどが急激に腫れ上がる「血管性浮腫(クインケ浮腫)」です。ACE阻害薬やARBの極めてまれな重篤副作用として知られ、喉の粘膜が腫れると気道が塞がり呼吸困難に陥る危険があります。また、激しいめまいとともに意識が遠のく感覚、冷や汗、1分間の脈拍が50回未満に落ち込む極端な徐脈、全身の広範囲に広がる発疹なども緊急性の高いサインです。
さらに、高齢者の降圧剤服用ではより慎重な経過観察が求められます。加齢に伴い肝臓や腎臓の代謝機能が落ちているため、想定以上に薬が効きすぎて過降圧を招きやすくなります。血圧が下がりすぎることによるふらつきは、高齢者の転倒・大腿骨骨折や頭部外傷の直接的な引き金となります。骨折を契機に寝たきりへ移行するリスクを防ぐためにも、家庭内での血圧測定を習慣づけ、上が100mmHg未満など過度に低下していないか確認することが極めて重要です。