エヴァと宇多田ヒカルが紡いだ奇跡|庵野秀明が託した全主題歌の真相

エヴァと宇多田ヒカルが紡いだ奇跡|庵野秀明が託した全主題歌の真相

エヴァと宇多田ヒカルが紡いだ奇跡|庵野秀明が託した全主題歌の真相にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

エヴァンゲリオンシリーズと宇多田ヒカルの楽曲制作における最大の特徴は、「極度の情報制限とプロットの抽象性」の中で曲が紡ぎ出された点にあります。

2007年の『Beautiful World』制作時、宇多田ヒカルは事前に脚本や絵コンテの細部を全て見せられたわけではありませんでした。庵野監督から渡された大まかな意図とシンジの心理状態に関するメモを手がかりに、自身が感じ取った「誰かを求めながらも傷つけることを恐れる少年のナイーブさ」をリリックに昇華させたのです。《もしも願い一つだけ叶うなら 君の側で眠らせて》というフレーズは、綾波レイや渚カヲル、そして葛城ミサトといった他者との境界線に苦しむシンジの願いそのものとしてファンに受け止められました。

そして最大のドラマが起きたのが、2012年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』における桜流し ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qの誕生です。当時、宇多田ヒカルは「人間活動」と銘打って音楽活動を完全に無期限休止していました。しかし、庵野監督からの「どうしても宇多田ヒカルの声で物語を締めくくりたい」という熱烈な手紙と映画の骨子を受け、休止中でありながら特例として楽曲制作を承諾したという現場の逸話が存在します。

『Q』の劇伴作曲家である鷺巣詩郎とのコラボレーションではなく、彼女が信頼を寄せるロンドンのプロデューサー陣とともに作り上げた『桜流し』は、全編にわたる絶望と孤独を癒やす圧倒的な母性を放ち、劇場公開時に事前告知なしのエンドロールで流れた瞬間、観客に凄まじい衝撃と感動をもたらしました。

前田 葵
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前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。