流しそうめんは今や単なる一過性の軽食ではなく、奥美濃の豊かな食文化への入り口となっている。名物の郡上鮎の塩焼きや、香ばしい味噌の香りが食欲をそそる「鶏ちゃん(けいちゃん)」といった郷土料理とセットで提供する店舗が増加し、地域の食の魅力をまるごと発信する拠点となった。
岐阜県庁や岐阜県観光連盟も、こうした食と自然を掛け合わせたガストロノミーツーリズムの推進に力を注ぐ。日本観光振興協会が発表する地域観光データにおいても、夏の岐阜における「涼体験×ご当地グルメ」の検索需要は右肩上がりの伸びを見せている。伝統的な観光業が、自然環境とデジタル発信の双方を味方につけて進化を遂げている好例といえる。