資本が膨張する一方で、映画の根幹を担うフィルムメーカーたちの動きも見逃せない。フィルム撮影と劇場体験に絶対のこだわりを持つクリストファー・ノーランのような巨匠がいる一方、人間の深淵を静謐に描き国際的評価を高め続ける是枝裕和のような監督の元にも、世界中からオファーが殺到している。
アルゴリズムが弾き出した「安全なヒットの法則」に観客が飽き始めている今、スタジオ側が何よりも欲しているのは替えの利かない固有のビジョンだ。莫大な製作費を委ねられながらも、自身の作家性をいかに死守するか。クリエイターと巨額マネーのつばぜり合いは、かつてなくスリリングな領域に達している。