期限切れの薬を飲むことの危険性は、単に「効き目が弱くなる」だけにとどまらない。有効成分が化学変化を起こし、本来想定されていない分解生成物が体内に取り込まれる可能性があるからだ。
特に注意が必要なのが、アスピリンなどの解熱鎮痛薬やテトラサイクリン系抗生物質だ。時間の経過とともに成分が分解されると、胃腸障害を引き起こす刺激物質へと変質したり、腎臓に深刻なダメージを与える毒性を獲得したりすることが報告されている。見た目やにおいに変化がなくても、分子レベルでの劣化は確実に進行しているのだ。
「半年前の薬だから大丈夫」という主観的な判断が、結果として新たな体調不良を引き起こす本末転倒な事態を招いている。