二人の物語を紐解く上で欠かせないのが、幼少期に突如として訪れた絶望の惨劇だ。平和な日常は鬼の襲撃によって一瞬で崩れ去り、両親の命が奪われた。間一髪のところで命を救われた二人は、二度と自分たちのような悲劇を繰り返させないと心に誓う。しかし、その誓いの形は姉妹で大きく異なっていた。
前蟲柱である胡蝶カナエは、鬼に対してすら「人と鬼が仲良く共存できる世界」を夢見る慈愛の精神を持ち続けていた。一方で、妹の胡蝶しのぶは、姉のその優しさを理解しつつも、内に燃える激しい怒りを抱え込んでいた。この対照的な視線こそが、二人の絆をより重厚なものへと昇華させている。