多くの読者・視聴者の涙を絞り取った二人の結末。コムギの最期における死因と薔薇の毒の感染経緯は、非常に過酷かつ崇高なものでした。
ハンター協会会長アイザック=ネテロが自爆時に使用した小型兵器「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」。その爆発には致死性の高い伝染性毒素が含まれており、メルエムの体内は毒に侵されて余命わずかとなっていました。宮殿へ戻ったメルエムは、残された最後の時間をコムギと軍儀を打つことだけに使うと決めます。
メルエムはコムギに対し、自分と一緒に居続ければ毒が感染して命を落とすことを包み隠さず告げました。しかし、コムギは迷うことなくこう返します。
「ワダすは…きっとこの日のために生まれて来ますた…!」
アニメ版でこの死亡シーンが描かれたのは第135話「コノヒ×ト×コノトキ」です。原作漫画では、終盤の数ページにわたり絵が一切描かれず、漆黒の背景に二人の会話テキストだけが静かに浮かび上がるという前代未聞の演出が取られました。
毒によって視力を失ったメルエムが「コムギ…いるか?」と何度も問いかけ、コムギが「はいな、いますとも」と応え続けるやり取り。そして、メルエムの「少し…眠る…手を握っていてくれ…コムギ」という言葉に対し、コムギの名言「おやすみなさい…メルエム…ワダすもすぐいきますから…」で幕を閉じます。翌朝、地下室で寄り添い、手を握り合ったまま息を引き取った二人の姿は、漫画史に残る屈指の美しいラストシーンとなりました。