阿部寛が結婚を発表したのは、彼が43歳のときだった。お相手は15歳年下の元OL、当時28歳の一般女性である。記者会見の席で、阿部は自ら描いた彼女の似顔絵を披露した。「僕の言うことをよく聞いてくれる、価値観の合う人」と語ったものの、具体的な素性は伏せられた。この会見こそが、その後の「徹底した秘密主義」の始まりだったと言える。
似顔絵は可愛らしいタッチで描かれていたが、本物の容姿を想像するにはあまりにも抽象的だった。メディアはこぞって彼女の正体を追ったが、決定的な情報は掴めなかった。一般人である彼女を守るという阿部の強い決意が、この時点で既に固まっていたのだろう。