『アウトレイジ』の劇中では明かされなかった裏設定や未公開のディテールにも、ファンを惹きつける理由が隠されている。水野という男は単なる武闘派のヤクザではなく、組長である大友に対する絶対的な忠誠心と、組織の金看板を守るための合理的かつ冷徹な判断力を併せ持った男として造型されていた。
撮影初期の検討段階や未公開のプロット案においては、大友組内部での水野の過去や、若手組員に対する指導の厳しさを示すエピソードも存在した。武闘派映画の枠組みの中にありながら、彼の行動原理には常に「義理」と「実利」の相克が流れている。映画ではあえて多くを語らず、佇まいや視線だけで語らせる引き算の美学が、水野というキャラクターの底知れぬ魅力を生み出したと言えよう。