リベロ(Libero)という言葉は、イタリア語で「自由」を意味します。このポジションは、1996年のワールドスーパーチャレンジおよび1997年のワールドグランドチャンピオンズカップでの試験導入を経て、1998年にFIVB(国際バレーボール連盟)によって正式にルール化されました。
導入された最大の目的は、大型化するスパイカーの強力なアタックに対して守備力を高め、ラリーを長く継続させることで、試合展開をよりスピーディーかつエキサイティングにすることにありました。長身選手が有利とされるバレーボールにおいて、俊敏性と高いレシーブ技術を持つ選手が世界舞台で主役を張れる道を拓いた歴史的な改革でもあります。
バレーボールにおける全ポジションの体系とリベロの立ち位置は以下の通りです。
- アウトサイドヒッター(OH/レフト):攻守の要として前衛・後衛からスパイクを放ち、サーブレシーブも担うエースポジション。
- オポジット(OP/ライト):セッターの対角に位置し、守備免除でバックアタックを含む強烈な攻撃に専念する得点源。
- ミドルブロッカー(MB/センター):ネット中央で相手のアタックをブロックし、クイック攻撃を仕掛ける前衛の壁。
- セッター(S):スパイカーへトスを配球し、チームの攻撃戦術を司る司令塔。
- リベロ(L):後衛の守備(サーブレシーブ・ディグ)を一手に引き受け、ボールを繋ぐ守備専任の職人。
現代バレーにおけるリベロの役割は、単に相手のスパイクを拾う(ディグ)だけにとどまりません。相手の強烈なサーブをセッターへ狂いなく届ける「サーブレシーブの統率」、セッターが1本目を拾った際に正確なセットアップを行う「第2の司令塔としての二段トス」、さらにはコート最後方から相手ブロッカーの配置や味方のポジショニングを指示する「守備の戦術リーダー・伝令役」として、極めて多機能なタスクをこなしています。