本物の野生が放つ迫力は、何ものにも代えがたい。現代のネイチャーフォトグラフィーは、過酷な撮影技術と極限のダイビングスキルの結晶だ。『ナショナルジオグラフィック』の誌面を飾るような一流の写真家たちが捉える水中写真は、水深数十メートルの過酷な環境で、自然光と水流のわずかな揺らぎを計算し尽くして切り取られている。
沖縄美ら海水族館の大水槽で見せる愛らしい表情とはまた異なる、外洋を疾走する野生イルカの引き締まった筋肉とスピード感。シャッター速度数千分の一秒で捉えられた水飛沫の粒は、まるでクリスタルガラスのように画面上で輝く。リアリズムを極めた1枚は、見る者の部屋の空気を一変させる力を持っている。