夏休みの終盤、リビングに漂う重苦しい空気。机の上には、白紙の原稿用紙と、ほとんど読まれていない絵本が一冊。この光景は、日本の夏における「風物詩」とも言えます。
小学一年生にとって、頭の中にある感情を「文字」という記号に変換する作業は、大人が外国語で論文を書くほどのエネルギーを要します。楽しかった、面白かった。その先の「なぜ?」を言語化する語彙力が、まだ十分に育っていないからです。焦る親は、ついつい「〇〇君はどう思った?」「楽しかったよね?」と誘導尋問を始めてしまいます。結果として完成するのは、子供のサインが入った「親の作文」です。これでは、宿題としての意味が半減してしまいます。