事件が起きた当時、過熱した芸能ジャーナリズムは彼女の死をショッキングなスキャンダルとして消費する傾向が強かった。連日ワイドショーが霊園の現場を空撮し、近隣住民の曖昧な目撃談を垂れ流した。だが、本質的な制度の不備や介護者のメンタルヘルスに深く切り込んだ検証は極めて乏しかった。
生前の清水由貴子は、ごく親しい関係者に対して「もう眠れない」「母の目が離せない」と漏らしていたとされる。その微弱なSOSのシグナルを社会がすくい取れなかった事実は重い。センセーショナリズムに終始した当時のメディア対応は、介護に悩む無数の市井の人々に「誰にも頼れない」という絶望感を無意識に植え付ける結果を生んだとも言える。