ファッションや使い捨てカメラ、Y2Kカルチャーなど、若者を中心に加熱し続ける平成レトロブーム。その波がついに「音」の領域へと及んでいる。かつてZ世代にとっては見慣れぬアンティークであり、30代から40代にとっては青春の残影そのものである折りたたみ式携帯電話。その電子音が、デジタル疲れを起こした現代人の耳に斬新な快感として届いているのだ。
理由の一端は、現代のスマートフォンの通知音があまりにも無機質で似通っている点にある。オフィスで標準のポーンという音が鳴るたび、複数人が同時に自分の画面を確認する光景は珍しくない。そんな中、ピコピコとした電子音やレトロな旋律は圧倒的な識別性を発揮する。「誰とも被らない」「聞くだけで少しフッと気持ちが和らぐ」といった声が、SNS上でも相次いで寄せられている。