都内のある中学校の歴史の授業では、すでに「鎌倉幕府はいつ始まったか」という問いに対して、単一の正解を求めていない。生徒たちはグループに分かれ、1180年(頼朝の挙兵)、1183年(東国支配権の公認)、1185年、そして1192年のそれぞれの説を支持する史料を比較検証し、自らの言葉でプレゼンを行う。
「正解が一つではないと知ることで、生徒たちの目の色が変わる」と、同校の社会科教諭は語る。かつてのように年号を機械的に暗記するだけの授業は終わりを告げつつある。歴史とは固定された事実の羅列ではなく、残された証拠から現代人が組み立てる「仮説」であるという、極めて科学的なアプローチが教室に根付き始めている。