世界で最も過密な交差点から目と鼻の先。東急株式会社のカルチャー戦略の要として時代を牽引してきたSHIBUYA109は、アパレル主導の商業施設から、体験と自己表現を軸にしたビューティの拠点へと劇的な変貌を遂げた。運営を手がける株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが仕掛けるフロア構成は、単に商品を並べる従来の小売スタイルとは一線を画す。
従来の化粧品産業では、百貨店のカウンターやドラッグストアが販売チャネルの二大巨頭だった。しかし、渋谷のアイコンであるこのビルが打ち出したのは、直感的な「可愛さ」と「スピード感」の融合だ。什器の高さやライティング、通路の幅に至るまで、スマホでの自撮りや色味確認を前提に設計されている。鏡越しに映る自分の表情を確かめながら友達と談笑する光景は、もはや日常の風景となった。