本作のダークソウルストーリー解説において最も特徴的なのは、語りすぎない叙述トリックのような手法です。NPCとの会話やアイテムのフレーバーテキストの断片を繋ぎ合わせることで、初めて世界の輪郭が浮かび上がる構成になっています。
かつて世界は霧に覆われ、灰色の岩と大樹、朽ちぬ古竜のみが存在していました。しかし地下深くに「最初の火」が生じ、火と共に熱と冷たさ、生と死、そして光と闇が生じます。火の中から王のソウルを見出した者たちが古竜を滅ぼし、「火の時代」を築き上げました。
しかし、火の勢いが衰えるにつれて世界は闇に蝕まれ、死んでも蘇る呪い「ダークリング」を宿した不死者が現れ始めます。主人公である選ばれた不死者は、王の力を継ぎ火を再び灯す巡礼の旅へと導かれますが、ここには過酷な裏の意図が隠されていました。
これこそがダークソウル火継ぎの真相です。「太陽の光の王グウィン」をはじめとする神族は、火の時代が終わり「人の時代(闇の時代)」が到来することを恐れていました。人間の中に眠る「ダークソウル(闇のソウル)」の覚醒を封じるため、自らの命を薪として火を維持し、さらに不死者に「選ばれた不死の使命」というプロパガンダを刷り込んで火を継がせようとしたのです。
物語の結末には重大なダークソウルエンディング分岐が用意されています。王たちのソウルを捧げて自らを灰に変え、火の時代を無理矢理延命させる「火を継ぐ者」となるか。あるいは火の消滅を受け入れ、不死の王として人の時代を統べる「闇の王」となるか。どちらを選んでも完全な救済は存在しないという冷徹な世界観こそが、長年にわたるダークソウル世界観考察の熱源となっています。