SNSや動画サイトでは「写真をプリントしてカーボン紙で写せば簡単に高得点が取れる」といったテクニックが紹介されることがあります。しかし、現場の美術教員の目は欺けません。
写真の完全なトレースは、レンズ特有の湾曲収差(歪み)までそのまま画用紙に写し取ってしまい、絵画としての自然なバランスを損なう原因になります。さらに、写真の明暗をそのまま写すと、人間の目で見たときよりも暗部が黒つぶれし、生気のない絵になりがちです。
写真資料を活用すること自体は有効ですが、それはあくまで「細部の形状確認」や「天候の変化への対策」として使うべきです。実際に現地に立ち、光の差し込む方向や風に揺れる樹木の空気感を自分の目で観察した痕跡こそが、「思考・判断・表現」の観点で高い評点を獲得する原動力になります。