終戦直後の混乱が残る1946年、大阪・ミナミの宗右衛門町に誕生した食道園。当時の肉料理といえば、臓物(ホルモン)を鉄板で焼くスタイルが主流でした。その中で、肉を部位ごとに丁寧に切り分け、清潔な店内のテーブル席で楽しむという画期的な外食スタイルを提案したのが同店です。
特に食道園が成し遂げた最大の功績は、「カルビ」や「ロース」といった部位別の呼称を定着させたことにあります。韓国語であばら肉を意味するカルビを看板メニューに据え、日本人の口に合うよう工夫を重ねて提供したことが、現在の全国的な焼肉ブームの原点となりました。
さらに、煙を気にせず食事を楽しめる無煙ロースターの普及や、肉を焼いた後に専用のタレにくぐらせる「つけダレ」の手法も同店が発祥とされています。日本の焼肉文化における基礎は、まさに食道園の創意工夫によって築き上げられたといっても過言ではありません。