海軍の大量生産型人間兵器「パシフィスタ」。その名称が「平和主義者」を意味することは周知の通りだが、その根底にはくまの生き様と平和への強い願いが込められていた。世界政府にとっては圧倒的な武力行使の道具に過ぎない存在が、一人の父親の無償の愛によって生まれたという事実は、読者に強い衝撃を与えている。
ボニーを大海原の危険から遠ざけ、平穏な人生を送らせたい。その切なる願いを胸に、くまは自我を削り取られる恐怖と対峙した。冷徹な兵器の顔を持つパシフィスタの瞳の裏には、娘の未来を想い続けた男の最後の祈りが宿っていたのだ。