世界中で広く使われている西暦(グレゴリオ暦)と、日本独自の伝統である元号(和暦)。このふたつの暦が公私ともに深く根付き、日常的に併用されている国は主要先進国の中で日本だけだ。
役所が発行する住民票や免許証、税金関連の通知には「令和」の表記が原則として使われる。その一方で、外資系企業やグローバルなITサービス、世界のニュース報道では西暦が完全に主流だ。この「ダブルスタンダード」が、私たちの脳に日常的な思考のフリクションを生み出している。朝読む海外ニュースは西暦で語られ、役所から届く封筒を開けば和暦が書かれている。暦の切り替えを頻繁に強いられる環境こそが、「今、西暦何年だっけ?」という問いを発生させる構造的な原因なのだ。