約70エーカーの面積を持つこの島が位置するのは、アメリカ領ヴァージン諸島のセント・トーマス島沖合である。地理的隔絶性と自治領特有の法制度の隙間を突き、エプスタインはこの土地を自らの治外法権的な王国へと作り変えた。
近隣の住民やボート乗務員たちは、日常的にヘリコプターや高速ボートで出入りする若い女性たちの姿を目撃していた。だが、地元警察への多額の寄付や政治家との太いパイプにより、外部からの監視や通報はことごとく握りつぶされてきた経緯がある。さらに、近隣に位置するグレート・セント・ジェームズ島も追加で買収され、巨大な複合プライベート空間が完成しつつあった。
現在、リトル・セント・ジェームズ島を含む一連の不動産は投資家に売却され、超高級リゾートへの再開発計画が進められている。しかし、豪華なヴィラの下に横たわる凄惨な過去の記憶を完全に拭い去ることは容易ではない。