『世界名作劇場』の起源は、1969年にフジテレビ系列で放送が開始された『カルピスまんが劇場』にまで遡ります。前身会社であるズイヨー映像時代に制作された『アルプスの少女ハイジ』(1974年)の大ヒットを経て、1975年に日本アニメーションが設立され、第1作『フランダースの犬』が誕生しました。以降、1997年の『家なき子レミ』まで地上波全国ネットで連続放送され、全26作品(BS放送で復活した2007年の『レ・ミゼラブル 少女コゼット』などを含む)に及ぶ長大なアーカイブが形成されています。
世界名作劇場歴代作品一覧を概観すると、初期の屋台骨を支えたのは、後にスタジオジブリを創設する高畑勲監督と宮崎駿氏の存在でした。『母をたずねて三千里』(1976年)や『赤毛のアン』(1979年)で見せた徹底した現地ロケーション取材、日々の生活動作を丁寧に描き出すリアリズムの手法は、当時の日本のアニメーション制作に革命をもたらしました。単なる児童向け娯楽にとどまらず、舞台となる国の文化、階級社会の矛盾、人間の弱さと尊厳を真摯に描いた姿勢こそが、本シリーズを唯一無二の存在へと押し上げた要因です。