警察官という規律ある職業柄、修司さんの教育方針は「礼儀作法」と「挨拶」に極めて厳しいものでした。幼い花織選手に対しても、感謝の気持ちを言葉で伝えることや、目上の人への敬意を払うことを徹底して教え込んだといいます。
フィギュアスケートは年間数百万円から1000万円以上とも言われる多額の費用(リンク使用料、遠征費、衣装代、振付料など)がかかる競技です。公務員世帯にとって、決して容易な金額ではありません。それでも修司さんは弱音を一切吐かず、家族一丸となって家計をやりくりし、娘の才能を開花させるために奔走しました。
神戸ポートアイランドのリンクで行われる早朝4時台・5時台の朝練への車での送迎、夜遅い迎えなど、修司さんは身を粉にしてサポートを続けました。「やるからには途中で投げ出さず、最後までやり抜きなさい」という父の背中を見て育ったからこそ、坂本選手は過酷な練習にも弱音を吐かない強靭なメンタルを手に入れました。