ファンが最も熱望する那須川天心と井上尚弥の対戦ですが、その実現可能性を論じる上で避けて通れないのが「階級差」という物理的な壁です。プロボクシングにおいて、わずか数百グラムから数キロの体重差はパンチ力や打たれ強さに決定的な違いを生み出します。
現在、那須川天心はバンタム級(上限53.524kg)を主戦場とし、スピードとポジショニングを研ぎ澄ませながら世界王座獲得を照準に捉えています。一方の井上尚弥は、スーパーバンタム級(上限55.338kg)で圧倒的な強さを見せつけて4団体統一を果たし、さらなる高みであるフェザー級(上限57.153kg)への転級を見据えています。
つまり、井上が上の階級へステップアップする過程と、那須川が身体を作り上げて階級を上げていく過程において、スーパーバンタム級というピンポイントの接点で交差できるかどうかが焦点です。井上の階級アップのスピードが早くフェザー級に完全定着した場合、この階級差を埋めるキャッチウェイト(契約体重)での試合設定は極めてハードルが高くなります。