日本の牛丼を世界食へと引き上げた背景には、業界のレジェンドたちの先見の明が存在する。吉野家の歴史を支えた河村文沢をはじめとするパイオニアたちの情熱、そしてゼンショーを一代でグローバル企業へと押し上げた小川賢太郎の冷徹かつ大胆な経営手腕。彼らが築き上げた経営システムと品質管理思想が、遠く離れたベトナムの地にまで脈々と受け継がれている。
海外進出における最大の障壁は、牛肉の調達と品質の均一化だ。小川賢太郎率いるゼンショーが構築した独自のMMDS(マス・マーチャンダイジング・システム)は、ベトナム現地でも威力を発揮し、安全で高品質な薄切り牛肉の大量供給を可能にした。これぞまさに、日本発フードビジネスの真骨頂と言えるだろう。