利用者の視点に立つと、ロングシートに対する評判には根強い課題が残ります。特に長距離移動における疲労感は顕著です。
クロスシートと違い、ロングシートは列車の加減速時にかかるG(加速度)が体の横方向にかかります。カーブやブレーキングのたびに体が左右に振られ、無意識に踏ん張る筋力を使うため、長距離移動の疲労と快適性の面では不利です。また、正面に乗客が座るため視線のやり場に困る、車窓の景色を首をひねらないと楽しめないといった心理的ストレスも「旅情がない」と評される一因です。
一方で、近年の車両シートは劇的に進化しています。平板なベンチ状だった昔の座席から、1人分の着席スペースを窪みで明示したバケットシートが主流となり、定員通りの着席とホールド感が向上しました。さらにクッション材に高弾性ウレタンを採用し、座面の底付き感を解消する工夫や、隣席との接触を防ぐ大型の袖仕切りの設置など、ロングシート特有のストレスを軽減する技術開発が続けられています。