この作品を語る上で欠かせないのが、森田童子の楽曲『ぼくたちの失敗』である。静寂の中に響く哀愁を帯びた歌声と澄んだギターの音色は、ドラマ全体の切なさを際立たせるだけでなく、主人公たちの悲劇的な運命をあらかじめ予言するかのように劇中で流れ続けた。
昭和のアンダーグラウンド・フォークシーンで異彩を放った森田童子の楽曲を主題歌に抜擢した判断は天才的だった。退廃的でありながら透明感あふれる音楽は、羽村と繭が背負う孤独の深さと見事に共鳴する。ラストシーンで流れるメロディは、彼らの旅路がハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、ただ純粋な愛の到達点であったことを静かに物語っている。