全11話を通じて視聴者の心を激しく揺さぶり続けたのが、良介と桃子の不器用すぎる愛の行方です。お互いに別のパートナー(良介は美樹、桃子は婚約者)を持ちながらも、瞳を合わせるたびに蘇る過去の記憶と想いを完全に消し去ることはできませんでした。
迎えた最終回「離さない」では、ついに感情の臨界点を迎えた良介と桃子が本音をぶつけ合います。周囲の人間を傷つけ、自分たちの嘘に耐えかねた2人は、夜の清洲橋で対峙。激しく降りしきる雨と吹き抜ける川風のなか、互いを激しく抱きしめ合いながらも、それぞれの選んだ現実と責任の重さに押しつぶされていきます。
ラストシーンでは、従来のドラマのような単純な大団円ではなく、大人の痛みを背負ったままそれぞれの日常へと戻っていく余韻に満ちた結末が描かれました。視聴者が固唾をのんで見守ったこの切ない幕切れこそが、瞬間最高視聴率40%超を叩き出し、日本のテレビ史に永遠に刻まれる名場面となった理由です。