平成のTV史に燦然と輝く金字塔といえば、社会現象を巻き起こした『HERO』と『花より男子』の2作を外すわけにはいかない。
2001年に放送された『HERO』は、スーツを着ない異色の検事・久利生公平の破天荒な活躍を描き、全話で30%以上の視聴率を記録するという前代未聞の偉業を達成した。実は制作当初、検事という重厚な職業を型破りなカジュアル服で演じさせる手法には懐疑的な声もあったという。しかし、現場で木村拓哉が提案したリアルな私服感と、あの象徴的なブラウンのダウンジャケットが見事にハマり、放送開始直後から爆発的なトレンドを生み出した。検察庁の堅苦しいイメージを覆した脚本と演出の勝利と言える。
一方、2005年にスタートした『花より男子』は、超金持ち高校に特待生として通う牧野つくしと、学園を支配するセレブ4人組「F4」の愛憎と成長を描いた伝説的ヒット作だ。主演を務めた井上真央の愚直で力強い演技は、視聴者に圧倒的な共感を与えた。現場では豪奢な洋館や高級車のセット撮影が連日続き、制作者たちが「少女漫画のスケール感を実写で完璧に再現する」という執念のもと、CGに頼らない本物のゴージャス感を追求していたという逸話が残っている。こうした制作陣の妥協なき熱量こそが、今なお色褪せない名作の裏に隠された真実だ。