金属素材のサプライチェーンにおいて、ビレットは「半製品(中間素材)」に分類されます。製鋼所やアルミ製錬工場で溶融金属を精錬した後、連続鋳造機(Continuous Casting Machine)などを通じて冷却・固装化され、一定の丸棒(ラウンドビレット)や正方形(角ビレット)の断面に成形されたものです。
業界外で最も混同されやすいのが「ビレットとインゴットの違い」です。インゴット(鋳塊)は、溶かした金属を型に流し込んで固めただけの「原料塊」であり、基本的に次工程で再度溶かす(再溶解する)ことを目的に作られています。内部に冷却時の収縮による空洞(引け巣)や成分の偏析が生じやすく、そのまま切削加工に供されることは稀です。
一方、鉄鋼やアルミニウムの中間材料には、断面形状と後工程の用途によって明確な区分が存在します。
- スラブ(Slab):断面が平たく幅が広い板状の鋼片。主に自動車ボディや建材、パイプなどの「薄板・厚板」へ圧延加工される。
- ブルーム(Bloom):断面が一辺160mm〜200mm以上の大型正方形・長方形の半製品。H形鋼や鉄道用レール、大型鍛造品の原料となる。
- ビレット(Billet):断面が一辺160mm未満の角形、あるいは同等サイズの円形(丸ビレット)。棒鋼、線材、各種押出形材、鍛造用素材、切削加工用の母材として直行する。
つまり、ビレットは「そのまま機械加工や塑性加工を施して最終製品に近い形へ持ち込める、寸法精度と均質性を担保された素材」であるという点が最大の特長です。