市販の冷凍あさりパッケージには「砂抜き済み」と表記されているものがほとんどです。水産加工工場において、マイクロバブル海水や人工海水を用いた徹底した吐き出し処理が行われているため、購入後に自宅で再度塩水に浸けて砂抜きを行う必要はありません。むしろ、解凍して砂抜きをやり直そうとすると貝が死んでドリップが流出し、品質を著しく損なう原因になります。
ただし、調理直前に必ず行うべき下処理が1点だけ存在します。それが「表面の氷膜(グレーズ)を流水で3秒洗い流すこと」です。市販の冷凍魚介類には、乾燥や酸化(冷凍焼け)を防ぐために「グレーズ」と呼ばれる薄い氷の膜がコーティングされています。この氷膜にはわずかな海水成分や微細な汚れが含まれている場合があるため、ザルに入れて水道水でサッと3秒ほど流し、表面の霜と氷膜を落としてから鍋やフライパンに投入するのが、雑味を残さないプロの技術です。
保存期間に関しても正しい認識が不可欠です。市販の未開封冷凍あさりの賞味期限は製造から約1年〜2年と長期間設定されていますが、家庭用冷凍庫はドアの開閉による温度変化が激しいため、一度開封したものはジッパー付き保存袋に入れて空気を抜き、約2週間〜1ヶ月以内に消費するのが理想的です。長期間放置すると冷凍焼けを起こし、身がパサパサになって風味が半減します。