2026年現在、この計算プロセスの中心には高度なAIアルゴリズムが組み込まれている。従来のシステムは最低でも2~3か所の観測点で波形を検知する必要があったが、最新の深層学習モデルは、わずか1か所の観測点で検知したP波の立ち上がり波形(周波数成分や振幅の初期変化)から、震源までの距離とマグニチュードを単一観測点のみで高精度に推定できるようになった。
さらに、日本列島の太平洋沖に張り巡らされた「S-net(日本海溝沿い地震津波観測網)」や「DONET(南海トラフ地震発生帯観測システム)」といった大規模海底ケーブル観測網のデータ処理が完全リアルタイム化。海域で発生する巨大地震において、陸上の観測点だけに頼っていた時代と比べ、震源特定までの時間を最大で20秒以上短縮することに成功した。海溝型地震の脅威に晒される日本にとって、この短縮は致命的な被害を防ぐ防波堤となっている。