日本プロ野球の長い歩みにおいて、中日ドラゴンズほどロゴマークの印象をドラマチックに変化させてきた球団も珍しい。1936年の名古屋軍結成時、ユニフォームや球団旗に刻まれたのは、威厳あふれる竜の姿だった。当時は職人が手作業で刺しゅうを施していたため、年代や仕立て屋によって龍の顔つきや尾の曲がり具合が微妙に異なっていたというエピソードも残る。
戦後の混乱期を経てドラゴンズの名が定着すると、球団の顔とも言える「CD」マークのプロトタイプが登場する。イニシャルを重ね合わせたこのシンプルかつ合理的な表現は、高度経済成長期を迎えた日本の都市カルチャーと連動しながら、ファンに広く浸透していった。時代ごとにマイナーチェンジを繰り返しながらも、その骨格は力強い存在感を放ち続けている。