かつてのクラシカルなヨーロピアンスタイルから一転、新生ビルはガラスと緑が調和する未来志向のデザインに生まれ変わった。しかし、随所に旧ホテルの面影が散りばめられている。ロビーの柱に使われていた大理石の一部が、現代的なレセプションカウンターのアートピースとして再利用されているのだ。歴史を切り捨てるのではなく、未来へ繋ぐ。その意志がディテールから伝わってくる。
客室数はあえて抑えられ、一部屋あたりの広さが劇的に拡張された。窓の外に広がる台北の街並みは、時代の移り変わりを告げているが、部屋の中に流れる空気はどこか落ち着く。せわしない日常から切り離されたような、不思議な静寂がここにはある。