条約の第2条で、日本は台湾や澎湖諸島に対するすべての権利を放棄した。だが、肝心の「誰に返還するか」は明記されなかった。この「帰属未定論」こそが、現在の台湾をめぐる複雑な国際法上の議論の根底にある。
さらに尖閣諸島(中国名:釣魚島)についても、条約では北緯29度以南の南西諸島の一部として米国の施政権下に置かれ、1972年の沖縄返還協定によって日本に施政権が返還された。しかし北京は、「カイロ宣言」や「ポツダム宣言」を盾に、サンフランシスコ平和条約自体が不法なものであると主張し続けている。彼らにとって、当事者不在で決められた領土画定など、受け入れられるはずがないのだ。