多くのファンが最も気にする「ゼニスは元通りに治るのか」という点について、結論から言えば、かつてのように流暢に喋り、走り回るような完全な回復(治癒)は作中で訪れません。神子化した肉体構造は不可逆であり、生涯にわたって介助を必要とする身体のまま過ごすことになります。
しかし、それは決して救いのない悲劇の結末ではありませんでした。ルーデウス邸での生活の中で、ゼニスは庭の花壇の手入れを日課とし、孫たちと触れ合いながら、穏やかで満ち足りた日々を送ります。言葉はなくとも、家族には彼女の感情が自然と伝わるようになり、グレイラット家にとって欠かせない精神的支柱であり続けました。
そして物語の最終盤、ゼニスは多くの子供や孫たちに見守られながら、穏やかにその生涯を閉じます。かつて家族を襲った悲劇を乗り越え、ルーデウスが築き上げた温かな家庭の中で愛され続けた母の人生は、静かで美しい完結を迎えたのです。