大連立構想を語る上で避けて通れないのが、2007年に起きた福田康夫首相と民主党・小沢一郎代表による「幻の大連立構想」です。当時の参議院選挙で野党が勝利して「ねじれ国会」が生じ、政策決定が完全に麻痺するなかで両党首による極秘会談が行われました。
当時の特番インタビューや自著・手記で語られた証言によれば、小沢氏は「ねじれを解消し、政権交代可能な二大政党制への過渡期として連立を組む」というプラグマティックな判断を下していました。しかし、この合意案を民主党の役員会に持ち帰った瞬間、岡田克也氏や鳩山由紀夫氏ら党幹部から「有権者への裏切りであり、政権交代の芽を自ら摘むものだ」と猛反発を受け、構想はわずか数日で瓦解しました。
公の場で見せた小沢氏の苦渋の表情と代表辞任劇は、日本政治における「大連立のトラウマ」として今も語り継がれています。連立政権の歴史と経緯を振り返ると、政策的な合意形成がないまま数合わせで進める大連立は、党内分裂と有権者の激しい不信感を招くという厳然たる教訓が刻まれています。