この超高速バトルにおいて、日本人の適性はどうなのだろうか。実は、スタートダッシュの技術に関しては、日本人は世界屈指のレベルを誇る。特に東洋大学出身の多田修平が見せる、低く鋭いスタートは世界的な評価も高い。彼のピッチの速さは、まさに50メートル走向きと言える。
また、サニブラウン・ハキームのように大舞台で圧倒的な集中力を発揮するスプリンターが、室内のタイトなトラックで本気で50メートルを走れば、日本記録(5.75秒)の大幅な更新はもちろん、世界の表彰台すら視野に入ってくる。体格差が影響しやすい後半の伸びを必要としない50メートルこそ、日本スプリントが世界を驚かせる隠れたブルーオーシャンなのかもしれない。