日本の演劇界において、彼女ほど異彩を放ち続ける存在は稀だ。古希を過ぎ、傘寿も見えてきた今なお、木野花のスケジュールは途切れることがない。映画のクランクインを控えたかと思えば、翌月には自ら演出を手がける舞台の稽古場に立っている。そのタフさは、同世代の表現者たちの中でも群を抜いている。
「年をとる暇がない」と笑う彼女の表情には、老いに対する悲壮感など微塵もない。むしろ、年齢を重ねたことで得た「自由さ」を存分に楽しんでいるように見える。白髪を隠さず、シワさえも役柄の深みへと昇華させるその姿は、現代のシニア世代にとっても一つの憧れとなっている。